
ブスの25箇条は、男女共通で結構厳しめ
『宝塚式「ブスの25箇条」に学ぶ「美人」養成講座』という本をご存知でしょうか。
宝塚の人が書いた、美容に関する本でしょう?と思ったアナタ、残念でした。
元宝塚トップスターの方が書かれた本ですが、中身は内面や意識や物事にたいする姿勢などが書かれている本で、会社で新人教育に使われたり、社内報や朝礼で紹介されているそうです。
実は私も、読む前は美容やタカラジェンヌの美しさをつくる生活習慣のことが書かれているのかと思っていたのですが、全く逆で内面の美しさについて書かれた本です。
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ブスの25箇条とは
1.笑顔がない
2.お礼を言わない
3.おいしいと言わない
4.目が輝いていない
5.精気がない
6.いつも口がへの字の形をしている
7.自信がない
8.希望や信念がない
9.自分がブスであることをしらない
10.声が小さくイジケている
11.自分が最も正しいと信じている
12.グチをこぼす
13.他人をうらむ
14.責任転嫁がうまい
15.いつも周囲が悪いと思っている
16.他人を嫉妬する
17.他人につくさない
18.他人を信じない
19.謙虚さがなくゴウマンである
20.人のアドバイスや忠告を受け入れない
21.なんでもないことにキズつく
22.悲観的に物事を考える
23.問題意識を持っていない
24.存在自体が周囲を暗くする
25.人生においても仕事においても意欲がない
どうでしょう、思い当たるところはありませんか?
はっきり言って25箇条は厳しいです。
大人として当然のことばかりなのですが、全ては守れてないことがあります。
昔の日本人なら当たり前と言う方もいますが、考え方を知っていても実践出来ているとは限りません。本の中には25条と共に著者の体験などが綴られています。
「タカラジェンヌだから、トップだから、特別」
ではない、一女性としての思いやエピソードが紹介されています。
そのままの状況があてはまらなくても心構えは同じなのだと感じさせられます。今も時々読み返しては、反省します。
タカラジェンヌとブス
宝塚歌劇団に入るためには宝塚音楽学校で2年間の研修を受ける必要があります。
その宝塚音楽学校の生徒募集の要項に「容姿端麗」があります。
つまり合格して入団してる人々はみんな美人、容姿端麗な女性です。
ブスと無縁な人々のハズ…
ですが、ここで言われている「ブス」は顔の造形のことではなく、内面・心の持ちようの「ブス」が顔に現れていることを指しています。
宝塚歌劇団の代表でもある各組のトップスターたちは外見や歌・ダンスなどの技術だけでなく、中身も一流です。
トップスターに限らず、在団年数の長い組長・副組長、専科の方々はもちろん、上級生になるほど人格者と言われる方が多いように感じます。
自己啓発本としても人気の理由
「ブス」とついているので女性向けのタイトルに見えますが(宝塚歌劇団が女性のみの団体の為)、内容は老若男女全ての人、特に大人に読んでほしい本です。
美しい人、と言ったときに大抵は外見の美しい人を想像しがちです。
しかし本当に美しいと感じるポイントは話し方であったり、仕草、笑顔など内側から来る美しさなのだな、と改めて思います。
美しいか、というより「そういう行動をしている自分が好きかどうか」と考えると分かり易いと思います。
その場に知っている人がいなくても、誰も見ていなくても、少なくとも自分は自分の行動を全て見ています。そこに嘘はつけないのですね。
また、文庫版あとがきでは、
「できていないこと」=ブスの項目に気がつくこと。
これが一番大事なのではないかと思うのです。
そして、「わかっていても、できない」そんなときは、「できない」自分を受け入れてあげてください。
とも書かれています。そんなに完璧にできないよ、と思うこともしばしば。
しかし出来ていないことは心のどこかで引っかかっています。
その引っかかりが心の中でモヤモヤ…消化不良のようなすっきりしない気持ちになってしまいます。自分の中でどこがよくなかったのかが分かっているからです。
自分の振る舞いは誰も見ていなくても自分は全部見ています。そんな自分は嫌ですし、自分に自信を持って自分を好きでありたいと思います。自分の心が窮屈に感じたり、卑屈になってしまうとき、自分に自信が持てない状態になっています。
だからと言って自分を必要以上責めずに「そんな自分を受け入れること」から始めることをすすめています。
人の心は形あるものではありませんから、あるときは出来ていても、何かがきっかけで出来なくなることもあります。
自分を許容するということは自分を愛することです。
そういうことをサラリと言えるところに著者の懐の深さを感じずにはいられません。
「ブスの25箇条」に気になるところがあったら一度本を手にとられてみることをおすすめします。
宝塚のことを全く知らない方でも問題なく読める本です。
あれ?っと思う気付きが変化への第一歩です。