記憶喪失からの再出発「シックスハーフ」深みのある少女漫画
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目が覚めたら記憶喪失!「シックスハーフ」

記憶喪失っていかにも漫画だなぁって設定ですが、『シックスハーフ』の主人公の詩織は記憶を失う前の自分が別人のように感じてしまいながらも過去を受け入れていきます。

昔の自分を否定する訳でもなく、淡々と新しい自分を取り戻そうとしていく様が妙にハマって、読み進めてしまう作品です。

ドラマか小説を読んだような読後感で、いわゆる甘い少女漫画とは一線を画しています。

少女漫画の主人公の可愛さは持ちながら男前な性格と行動が気持ちよいくらいです。

ファッションや小物も女の子らしくオシャレで可愛いので表紙を見ているだけでも楽しいです。

 

『シックスハーフ』のあらすじ

池谷理香子の少女漫画『シックスハーフ』は『Cookie』に掲載、単行本11巻で完結しています。

主人公の詩織は16歳の高校2年生。

ある日詩織はやりきれない出来事があり原付に乗っていてカーブを曲がり切れずにガードレールに衝突し、自分の名前も自分の周りのこと一切の記憶を失くしてしまいます。

事故に合う前の自分は学校でも目立つ派手な女子高生だったらしく、事故後の詩織は馴染めないままでこれまでの生活に戻ろうとしますが学校の仲良しグループからはハブられ、一人で過ごすことになります。

兄の明夫は詩織を溺愛して何かかと気にかけてくれますが、妹の真歩は口もきかずに冷たい態度を取り続けます。

学校では彼氏という1歳年下の開が詩織に原付を貸した責任を感じ、今の詩織は以前と違って嫌がる様子を見せながらも放っておけないと「2号」と呼び側に付きまといます。

開と明夫の存在に励まされて過去と今の自分を受け入れていこうとします。

そんな矢先に明夫の彼女の存在を知り、兄である明夫を男性として意識し始めてしまいます。

 

再生していく詩織に生きるパワーを貰う

災難が次々と襲い掛かる詩織ですが、口惜しさを噛みしめることもあっても持ち前のパワーで乗り越えていこうとします。

漫画にありがちなポジティブ元気ちゃんではなくどちらかというと繊細なタイプながらも体当たりと知恵を絞っていきます。

自分にまつわることが全く分からないながらもバイトしたり、新しくモデルの仕事を始めたりと今の自分に出来ることを少しずつでも始めていく姿勢はグイグイ引っ張られてパワーが沸いてくるシーンがいっぱいです。

ちなみにタイトルの『シックスハーフ』とは靴のサイズで24センチのことです。

作者のインタビューによると「記憶=中身がないとわかっていても、同じ体で歩んでいかなきゃいけない。」といった意味だそうです。

 

ラストは意見が分かれるけれど

11巻と割と長めの話ですが、ダレることなくどんどん読み進められます。

色々な展開がありつつもラストはハッピーエンドで終わります。

ちょっと綺麗に収まりすぎている感はありますが、最初っから唐突な設定なのでみんなハッピーで終わって良かったと思います。

詩織の記憶は取り戻すことが出来るのか、記憶が戻ったらどうなるのか。縺れた兄妹を記憶を失った新しい詩織が入ることで家族も影響をうけて変わり始めます。11巻は番外編も収録されています。

 

記憶喪失や可愛らしい絵柄とは裏腹に読ませるストーリー展開です。

想定外のところをついてくることも多くラストまで飽きさせません。

 

恋愛漫画ながら甘いラブストーリー要素は少なめで、主人公のすがすがしい前向きな性格が魅力的に描かれています。甘い少女漫画はニガテな方でも楽しめる作品です。

じっくり読める作品でもありますので今っぽい少女漫画と線を引かずに手に取って頂きたい作品です。

 

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